手紙
「どうしたの?」
睦月が聞くと、男はニヤニヤしながら二人の間に入った。
「社内旅行ですか?睦月さん行くんですか?」
やはり聞こえていたか。
睦月は軽い溜息で、口角を上げた。
「行くよ。てゆうか、輝くんまで何であたしのこと下の名前で呼ぶのさ」
「だって睦月さんも俺のこと下の名前で呼んでるじゃないですか。そんなの睦月さんくらいですよ」
「それはさ・・・」
睦月は続きを止めた。
「やっぱあれっすか?俺に気あります?」
「はいはい。自意識過剰。仕事に戻りなさい」
「わ、冷たっ」