手紙



睦月らしい伝え方だ。




自分が誰かに騙されているかもしれないという考えなど一切持たず、そう返事をした。





だって見てるから。




海に流したこのビンは、確実に沖の方へ流れている。




同じ相手に届くなんて絶対ない。




でも、ありえている。





だから、時空を超えることだってあるんだ。





睦月はそう信じていた。




信じていたいんだ。





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