手紙
第二章
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「桜、だいぶ咲いたな」
襖を全開にし、中庭を眺めながら刀の手入れをしている沖田の自室に、桜の花びらが風に乗って入ってきた。
春を知らせるその光景に、思わず手も止まる。
そしてふと、机にある一通の手紙に目を向けた。
「はぁ・・・」
思わず出るため息に、気持ちが複雑になる。
昨日行った海で拾ったその手紙は、もちろん沖田宛で、謎の「蒼井睦月」から。
初めは面白半分で返事をした。
だがまさか、また返事が返ってくるとは思わなかった。
そして今回の手紙で、また新たな謎が生まれた。
「何だよ時空移動って・・・」
顔を歪ませ、手入れしたばかりの刀を鞘に納める。