手紙
たった数通だが、今まで睦月から送られてきた手紙だ。
土方はそれに軽く目を通し、子どもを見るように沖田を見た。
「ま、いいんじゃねぇの?信じてやれよ。この子純粋そうじゃねぇか」
「はっはっは」と笑いを起こし、元の箱に手紙を放り投げた。
「土方さん、馬鹿にしてますね?」
「いやいやしてねぇよ。ほら、早く返事書いてやれ」
「よいしょ」という言葉と共に、右手を床につき、立ち上がった。
「ほんじゃ、また返事返ってきたら教えてくれや」
「・・・・・・・・」
そのまま廊下に消えていこうとする土方に、振り向きもせず沖田は問いかけた。
「土方さんは・・・信じますか?」
その言葉に立ち止り、「ふっ」と笑みを見せ、中庭の桜を見上げた。