ドロップ-記憶-
“しかし、この風はあれだな。爽やかだ”
“?”
“んな明らかに、は?って顔すんなよ”
“だって分かんないんだもん”
『ハル』…私、今でも分かんないんだけど。
“じゃあ、分からず屋の千歳ちゃんには、飴をあげましょう”
飴……!
“ほんと!?なに味?”
“あけてみ”
ガサガサ
“なにこれ。あーん…。……なーんだ、ソーダ味かぁ”
“なーんだ、って失礼だな!”
“でも、おいしい”
“だろ?”
『ハル』はまた笑う。
“また来ような”
“うん”
そのときの私たちは手を繋いでて、爽やかな風が通った。
今回は、ここまでかな。
またね、『ハル』…。