ドロップ-記憶-
「シューサイ!」
「ん?って千歳っ。走っちゃだめだろ」
今はそんなこと聞いてらんない。
「シューサイ!飴は!?」
「あ、飴?ごめん、今日は急いで来たから持ってくるの忘れちまったんだ」
「そんなぁ…」
じゃあ、今日も『ハル』に会えない?
いつになったら、会えるのよぉ。
「もういいっ!飴ないなら、ばいばい!シューサイ!」
私はサイテーだ…。
シューサイに、八つ当たりをしてしまった。
シューサイは悪くない、分かってる。
自分では分かってるつもりなのに…。
「くっ、ぅ…」
私の目からは涙が流れた。
涙を流したのは、いつぶりだろう。
ごめんね、シューサイ。
ごめんね。