ドロップ-記憶-





“私、好きでした。ずっとずっと、好きでした”


……告白?


私は、校舎の裏に隠れてて、向こうには…


『ハル』と、学年一可愛いと言われる河和田さんだ。


“ごめん、河和田。俺、好きな子いるんだ”


そう言って『ハル』は背を向けて歩き出した。


なぜだろう、『ハル』がこっちに向かってきてる気がする。


でも、『ハル』は止まった。


なぜなら、河和田さんが『ハル』の腕を掴んだから。


そして………キスした。


そのとき、私の目からは涙が落ちた。


過去の私も、今の私も。


“っ!?なにすんだ、河和田!”


“榊くん。私、榊くんが大好きです。絶対に落としてみせますから”


そう言って河和田さんは去っていった。


“……っ、”


私は泣いている。


でも、その記憶はだんだん薄れていった。




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