ドロップ-記憶-
““春西、危ない!””
そう言って、私と春斗も道路に飛び出した。
春斗の方が少し速く、春西を押した。
春西は歩道に突き飛ばされたけど、飛び出した私たちは…
キキィーーッ
ドンッ
あぁ、そっか。
こうして私たちは、事故にあったのか。
残されたシューサイは、私たちをひいてしまった運転手となにか言っていたが、すぐに救急車を呼んだ。
そのとき一緒にいたシューサイが、私たちの診察を聞いたんだ。
そっか、今全部思い出した。
私たち3人には、親はいないんだ。
私たち3人は、兄弟みたいなものだったんだ。
だからあの日、3人で遊んでたんだ…。
でも、シューサイはときどきバイトに行ってたから、夏祭りも海もいなかったんだ…。