ドロップ-記憶-
「ん?あ、これ間違い。本当はこっち」
そう言って出したのはカラオケの割引券だった。
……こーゆーとき、普通は映画とかじゃないの?
「最初は映画にしよーと思ったんだけどな。春斗の性格じゃダメだ。映画なんて寝て終わっちまう」
あ、確かに…。
「でも、あいつカラオケ大好きだからな。それにカラオケも捨てたもんじゃないぞ」
「…?どーゆー意味よ」
私がそう言うと、春西は得意気な顔をして言った。