ドロップ-記憶-





「たとえば、千歳が男を誘うような歌を歌ったとする。そのとき、チラチラと春斗を見たとする。そのときの千歳の顔が赤くて、ちょっと涙目だったとする。

そうすれば春斗はイチコロ。あぁ~ん、ハルぅ、と、千歳は叫ぶ。
あんま叫ぶなよ、と言いながら春斗は大人のキスを繰り返す。

結局時間がなくなった二人はラブホへ…。ってこともあるから、やっぱこの割引券持ってった方がいいぞ」


「……春西のエッチ!でも、カラオケの割引券はもらうね」


「え、こっちは?」


「いらない!」


そう叫んで、私は部屋を出た。




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