好きの反対。
*私、佐山佳奈と申します。*
「かなー」
「ん?」
「あの仔カッコよくない?」
「あー、ごめん興味ない…」
「あっそー」
4月9日。
入学式を終えて1週間。
大分女子特有のグループとかも
まとまってきて、
落ち着いた学校生活を送っている………
ッわけなくてぇ。
女子が苦手(嫌い)なあたしは
なかなか溶け込めず、
悪戦苦闘の日々を送っている。
散っちゃい頃から親友の
西森 光ちゃんと喋るぐらいだった。
「委員長」
「ん?」
「ゴリがよんでっぞ」
「おう!さんきゅ」
そんな生活に少しばかり飽きていたあたしは
委員長という役柄を頂いていた。
「ゴッリーゴッリーゴリゴリゴッリー」
あの女だらけの教室をぬけだせて嬉しいあたしは
スキップなんてしながら廊下を進んでいた。
やはり目に入るあたしを見て
隣のクラスのヤツらは指を指して笑うが、
あたしはこれっぽちも気にしない。
ビバ変人!って感じー。
あー笑うなら笑いなさいよーだ!
まぁそんな感じで充実LIFEを送っているあたしなのです。
「さやまー」
ゴリめ。
またあたしを雑用に使う気だな。
「これ、教室までもってってくれ」
「はーい」
これではいはい言うあたしもあたしだけどねー。
まあ教室にいてもあれだからいいけど。
「っと!あぶっなッッッ!」
職員室を出たとたん誰かの足にひっかかる。
―――ドサドサッ
「すっすまん!」
その誰かさんがゴリに渡された「夢」とやらを
せっせと回収する。
「ありがと」
「いや、俺がぶつかっちゃったんだし…」
ドッキィ!
さらさら黒髪にぱっちりお目め……。
「はい。怪我ない?」
「あ、うん、まあ」
にこーっと口角を上げる彼。
「っじゃね」
さっと手を挙げ、すぅっと職員室へ入る。
いい香りが鼻に残り、
きゅうっと胸が締められる。
なんだ?この感じ!?