ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】
「わぁ…!」
入学式の日、空からは桜の雨が降り注ぎ、ずっと憧れていた学校に入学出来たことで、あたしの胸の高鳴りは最高潮だった。
「陽花~!おはよぉ~♪」
行きなり聞こえた声に振り返る。
そこには、中学の時から友達の江川菜流(エガワナル)がいた。
「菜流!おはよ。久し振りだね!!」
「本当!寂しかったぁー」
中学の卒業式の日から殆(ほとん)ど会っていなかったあたし達は、喜びを確かめ合うように抱き合った。