ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】



――新自身が、あたしを何処かで覚えてる――?





「意味…グズッ…わかんなっ…」



「わかんなくていいよ」





菜流があたしを抱き締めて言う。





「ただ一つ、覚えておいて?新は本当の本当に、陽花を好きだったってこと」



「う…っん……」





あたしの顔は、もう涙でぐちゃぐちゃだった。













少し落ち着いたあたしを見て、菜流が言う。





「陽花、お風呂入ってこよっか」



「…うん」





そっと、あたし達は大和を残して部屋を出た。




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