ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】
あたしには自分の表情はわからないけど、新はあたしを見て何を悟ったのか、悲しげに口を開く。
「お前、何でそんな顔して笑ってんの?」
…笑ってる?
そんな顔で?
あたし、笑ってた?
いや、笑ってたかもしれないけど。
別に、変な顔で笑ってないよね?
「…そんな顔って、どんな――――…」
どんな顔?
そう言おうとしたのに、あたしの声は新の携帯の着信音で遮られた。