ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】




――トン





何時の間にか新の異様な雰囲気に後退りしていたあたしは、背中に冷たい壁が付いたのを感じる。



振り返ると、それはやっぱり壁で。





新は折角あたしが取った距離を無駄にする様に近付いて、あたしと新の距離はもう30cmもない。





「あら、た?」



「ん?」



「何、この体勢…」





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