ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】
「あたしには、新の気持ちはわかんない…。でも、だからって一人で全て抱えてほしいわけじゃない!人は一人では生きられないんだから!!」
新はずっと俯いたまま、口を開こうとしない。
「…新の家族のことは、菜流に聞いた」
あたしの言葉に、新は顔を上げる。
でも、新の綺麗な瞳はあたしを捕らえてはいない。
「菜流の奴…」
「菜流を責めちゃダメだよ。菜流だって苦しかったんだから。あたしや大和が必死になって探してるのに、自分だけ知っているのが。それに、それを知っても新を探しに来たのはあたしだし」
「わかった…わかったからもう、放っといてくんねぇか?もう、俺は陽花達と一緒にいる気はない」
直感で嘘だ、と思った。
本当なら…そんな目で、あたしを見ないで…
「新、あたしの話聞いてた?!あたし、言ったよね?人は一人で生きていけないって!
何で?何で一人で抱え込もうとするの?!
あたしが…あたしがいるじゃんか…!!ちょっとくらい、あたしを頼ってくれてもいいじゃない!!!!」