ただ、あなたを。 ~Love Memory~【完】
「新!新の所に行くの…ッ!行かせてよ!!」
「待って?さっきから新新って言ってるけど…、その人がどうかしたの?」
「ここに運ばれてる筈なんです…!あたし、それでここに向かってたんだもんっ!!」
「その人の名前は?」
「赤石…赤石新……」
その名を呼んだ瞬間、視界が歪んで涙が頬を濡らす。
「わかった。今、部屋何処か聞いてきてあげるから!」
そう言って女の人はあたしから離れると、部屋を出ていった。