極寒列島

朝方の悪い夢

遠い所で、電話が鳴ってるのが聞こえた。


聞き慣れた着信音。


目を開けて時計を見ると、午前四時三分を指していた。


―…誰?


自慢の長い黒髪が、枕にたゆたっていた。


着信:トオル


あたしは飛び起きた。


こんな時間に、トオルからの電話があることを…この時に不思議に思えば良かったんだ。
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