シンデレラにガラスの靴を
結構走ったところで、人がまばらになってきた。
廊下で座っている人たちや、立ちながら話している人たち。
視界の端にそんな光景が映ったけど、そんなのお構いなしに無我夢中で走る。
そろそろ疲れてきた……。
そんなときに見えてきた、突き当たりにあるパステルピンクの扉。
あそこに入るしかない!
そう思い、残り少ない力を振り絞ってラストスパートをかけた。
そして目の前にきた扉に手をかけ、中に素早く滑り込んだ。
「そん中はダメだっ!」
なんてわたしを止める声も聞かずに………。