想い
昇降口までがすごく遠く感じる
夏といっても
日が沈んでしまってから
1人で帰るのはなかなか怖い
そんなときふと
彼が隣にいたら‥
なんて考えがよぎる
そんなことを考えながら
昇降口で靴を履き替えていると
さっきはありがとう
と言う声がして振り返る
また彼だった
人懐っこい笑顔であたしに言う
あたしはまた恥ずかしくなって
顔がうつむく
もしかして俺のこと苦手
なんて少し哀しそうに言ったから
そんなことない
ってつい大きな声で言ってしまった
そんな自分にまた恥ずかしくなって
また顔がうつむく
そっか
良かった
なんて言うから
少し疑問が残る
まぁあまり深く考えないでおこう
と思いその場を立ち去ろうとしたら
送ってくよ
そう言われた