知らない夜
河川敷を降りて、あって役に立つのかがわからない転落防止用のワイヤーに寄りかかった。
ワイヤーが3本引いてあるだけで、こんな暗い夜だと、全く見えなくてひとが落ちても思議ではない。そこへ、大きな犬をつれたお兄さんが通りかかる。
犬が一瞬立ち止まり、私のほうを見る。
「誰かいるのかい?」と私のほうに顔を向けながらも疑問系で訪ねられた。
「え、はい。」間違いなく私はいるのになんだか曖昧な返事になってしまった。
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