see you again
「娃弥!!やめろっ!!!」

おじさんの腕が私を強く抱きしめた。


「もう嫌だっ!!放して!!」

こんな手いらない。

歌えなくなるんでしょ?


だったらギターを弾くこの手もいらない。

たった一つの希望の光が私には見えなくなっちゃったよ。


私は、また一つ光をなくしてしまったよ。




気がついたらベッドで眠っていた。

おじさんの姿は無かった。





退院してからもしばらく私はおじさんに会いに行かなかった。


会いに行く気になれなかった。

真樹ちゃんが居なくなって

歌も歌えなくなっちゃって

おじさんからも離れて、私はまた一人ぼっちになるの?


そんなの嫌だ。

私はしばらく何も食べない日々をおくっていた。





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