see you again

「マサキ…久しぶりだね」

本当に久しぶりにマサキの声を聞いた。

ずっと。ずっと。

会えなくなってからずっと聞きたくてしょうがなかったマサキの声。


でも、聞いたら泣いてしまいそうで聞きたくなかったマサキの声。


「久しぶり。娃弥、ライブやるんだって?すごいじゃん」

ありがとう…。

そう言葉を返すのが精一杯だった。
だってマサキの声を聞いたらホッとして涙が止まらないんだもん。


「ライブっていつ?……って泣いてる??」

聞かないでよ…。

マサキが優しいから余計に涙が止まんないよ。


「来月の3日。来れそう??」

来て欲しい。
これで最後になるかもしれないから。

「頑張って行けるようにする。無理すんなよ?」

「うん。ありがとう」

ねぇマサキ、私にこんな日が来るなんて思ってもなかったよ。

きっとマサキのおかげだね。
ありがとう。


電話を切ると私は久しぶりに病気のことを忘れてぐっすり眠ることができた。


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