see you again





私の最後のステージが始まった。


「娃弥。無理しないでね?」

舞台裏に来てくれた朋果ちゃんが声をかけてくれた。

「ありがとう。…じゃあ、行ってきます」


夢とか。

希望とか。

喜びとか。

そんな言葉じゃ言いあらわせないものがここにはあった。


初めてたったステージは、おじさんのお店に小さなステージだった。

今たっているのは、今まで想像もしたこともないくらいおっきな舞台。


でも、不思議。

こんなに大きさは違うのに、見える景色も違うのに、
思うことは一緒だった。



ただ、私の歌を聴いてくれる人に今の私にできる最高を贈りたい。



たとえこれが、最後でもね…。


< 128 / 142 >

この作品をシェア

pagetop