see you again
とうとう、最後の曲になってしまった。

「最後の曲にいく前に、私は皆さんに言っておかなければならないことがあります」


マイクを握る手には自然と力がこもった。

「私は今日、このステージをもって…歌手を辞めます」


会場がざわついた。

改めて言葉にすると、本当に辞めるんだと実感して
淋しくなってきた。




「今まで応援してくれた皆さん
 本当にありがとうございました。

 突然のことで本当に申し訳なく思っています。

 黙っていましたが、私は喉に病気を持っています。
 その手術を受けようと思っています。

 本当言うと辞めたくありません。
 でも、手術がうまくいかなかったら
 もう二度とここには戻ってこれないから。

 これは私のケジメです。

 それでは私、牧原娃弥が
 歌手として最後に歌う曲です。
 聞いてくでさい。」

最後に歌ったのは初めてマサキにあった時に歌った曲。

私の運命を変えてくれた曲だった。




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