see you again
娃弥のライブの前日の深夜に亮から電話があった。
「お前いま何時だと思ってんだ…」
「明日これんの??」
俺の言葉を遮って亮は言った。
実はきょう日本に帰るつもりだったのだが、思ったよりも仕事が長引いてしまっていた。
「悪いけど間に合わないかもしれない…」
「お前しってんの?娃弥ちゃんがこのライブで歌手辞めるって」
亮の言葉に頭が真っ白になった。
娃弥が辞める…?
嘘だろ??
そんなことひと言も言ってなかったのに。
次の日俺は仕事を終えると急いで飛行機に乗った。
間に合わないことは分かっていた。
でも、できるかぎりのことはしよう。
じゃないともう、娃弥に会えないような気がしていた。