see you again
「落ち着けよ!!居なくなったけど無事なのは分かったんだよ!!」
無事だと聞いて少し安心した。
「どこに居るんだ…?」
「…それは分からない。」
「私達は中村さんに娃弥の居場所が分かったって聞いただけで、それがどこなのかは教えてもらえなかったの…」
中村さんは知ってるんだ、娃弥に居場所を…。
「喉の事もあるし心配だよな……」
亮がふともらした言葉。
喉?喉がどうしたんだよ??
心配??
「喉って??」
俺が聞き返すとみんなが目を見開いた。
「もしかして娃弥から聞いてないの?」
聞いてないって何をだよ…。
「娃弥ちゃん病気なんだよ。喉の」
病気…?
娃弥が喉の病気??
なんでそんな大事なこと今まで黙ってたんだよ!?
だから辞めるのか??
いつか言ってた
みんな離れていくってこう言うことだったのか?
何にも知らなかった。
娃弥のこと一番わかってるつもりだったのに…。
娃弥、今どこにいるんだよ……。
娃弥のことが心配だったけど、俺は一度アメリカに戻らなくちゃいけなかった。
俺はずっと何を見てたんだろう??
娃弥の歌が変わっていくことをただ淋しいと思って見ていただけだった。
本当にただ見てただけだった。
娃弥の心がボロボロになってたことにも、
娃弥のなかにある何かが壊れそうになってたことにも
俺は気付けなかった。