see you again



二年後…。



娃弥が手術を受けるといっていなくなってから二回目の冬が来た。

娃弥がいない間に仕事はさらに忙しくなったが、娃弥のことを考えない日は一日もなかった。

娃弥、手術は成功したの?

聞きたいけど、娃弥の居場所を知らない俺はただ信じて待つことしかできない。


一人街を歩きながら、キラキラした綺麗なイルミネーションをぼんやり眺めていた。



どれくらい歩いたんだろう。

顔を上げると、大きなクリスマスツリーがあった。


キレイだな。

そう思ってクリスマスツリーに近づいていくと、ツリーの裏側から拍手が聞こえた。


何だろう?

そんなに気にも止めずにゆっくりとツリーを見ながら回ってみると…。


白いニット帽から覗くチェリーレッドの長い髪が目に入った。

こんなに寒いのに手袋もしていない。
冷たそうなその手でギターを握りしめていた。


知ってる…。


俺は知ってるよ。

その指を、

そのギターを。


「…娃、弥?」

恐る恐る呼んでみた。


すると、その目はたしかに俺を捉えて、たしかに口を開いた。

「…マサキ?」


ほら、やっぱり娃弥だ。
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