see you again

「どうして分かったの?」

驚いた、と言う顔をする娃弥。


わかるよ。

俺がどれだけ娃弥に会いたかったか娃弥は知ってる?


わかるよ。

チェリーレッドは君の好きな色だから。

わかるよ。

君が手袋をしないのも知ってるから。


「帰ってきてたんだ。おかえり」

そう言うと娃弥の目に涙が浮かんだ。


「ごめんなさい。本当はすぐに会いに行くつもりだったの。でも、コワくて…みんな怒ってるんじゃないかって。」

懐かしい娃弥の声だ。

「怒ってなんかないよ」

「ありがとう」



「あとね、私わかったの。ずっと探していた、ずっと会いたかった人。

 マキちゃんは…ずっといた、ずっと私のそばにいたくれてた。マキちゃんは真樹(マサキ)だったんでしょ?」


そうだよ。

やっと気付いてくれたんだ。

初めて会った時、娃弥は俺をマキちゃんと呼んだ。

小さい頃はよく女の子みたいだと言われていたから、気にもしていなかった。

次に娃弥に会ったとき、娃弥は俺をマサキと呼んだ。
親が離婚して苗字が変っていたから気付かなかったんだろう。

俺もすぐに娃弥を思い出せなかった。






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