see you again

でも、娃弥が初めてマキちゃんと言ったとき思い出した。

ただ言えなかったのは、娃弥に気付いて欲しかったから。


「そうだよ」

娃弥の目から次々と涙が零れて落ちた。


「ずっと、会いたかったの…ありがとうって言いたくて」



「おかえり」

そう言って手を伸ばすと、娃弥の冷たい手が触れた。

「俺もずっと言わなきゃって思ってた…」


ぎゅっと娃弥の手に力がこもった。



「ただいま、真樹」


贅沢は言わない。

ただ、君の笑顔が隣にあるだけでいい。


ううん。

君が笑ってくれてる、それだけでいいんだ。


ありがとう。

信じてたよ、


また、君に逢えるって。




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