see you again
おじさんは応援してくれた
私はずっと思ってきた。おじさんのために歌い続けたいと…

私自身も思っている
マサキたちと同じ世界へ、同じ場所へいきたいと、
そして何より
おじさんがくれた夢をもっともっと大きくしたいと。




私は今、ケータイ電話を握っている…
さっきから開いたり閉じたりのくり返し

開けて……閉じて

開けて……閉じて


開けて…


「よしっ!」
意を決っして私はゆっくりボタンをおした


トゥルルルル…

トゥルルルル…


トゥルルッ──

「はい!もしもし加藤です」
昨日の男の人の声…


「えっ…と、加藤さんですね?昨日の…牧原娃弥です」


少しの沈黙のあとはぁ~と息を吐く音がきこえた。
「よかった、電話まってたんだ。で?決めた?」

そうだ…私は心を決めたから電話をした


「私ッ──」








カランッ


「おじさん、私さっき加藤さんに電話してきた」

店に入るなり立ったままそう言った私におじさんは忙しそうに動かしていた手をとめてゆっくり顔をあげた。
「やることにしたのか?」

「うん…ちょっと心配だけどやってみることにしたの。大丈夫…だよね?」
「大丈夫だ、お前ならできる。でも無理だけはするなよ」


ありがとう
私には此処しか居場所がないと思っていたけど…
此処を離れて今度は自分で自分の居場所を探すのもいいかもね。


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