see you again
学校に着くと私は教室まで走った
もう授業は終わっていて誰もいない廊下を走った
教室に行っても誰もいないかもしれない

教室の少し手前で私は足をとめた

「…この歌……」

教室の中から聞こえるこの歌は
知っている…
二人だけの……


真樹ちゃん…?



私はゆっくり足をすすめた

懐かしい
ぎこちないこの旋律…


教室のドアの前で私は顔をあげた
夕日の眩しさに私は眼を細めた

「真…樹ちゃん?」

私の声で歌声がとまった
一歩、また一歩と私は近づいていく

…ちがう


「…朋果ちゃん」
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