see you again

「…ぁ……あぁ〜……」



「出てるよ!娃弥!!」


二週間がたって私の声が戻ってきた。

「おめでと!娃弥ちゃん僕の名前呼んでよ」


倫汰くんがニコニコしながら言ってきたので名前を口にしようとしたとき、隣から朋果ちゃんの大声で遮られた。



「ダメぇぇー!!!私がさきっ!」

「ズルイっ僕がさきっ!」

朋果ちゃんと倫汰くんの声で賑やかになる病室。


「も~あんたたち面倒くさい!!」

翠ちゃんの一言で病室は静かになった。


「でもよかったよ。娃弥ちゃんの声、出るようになって」

翠ちゃんの横からひょこっと顔を出して潤くんだ言った。


「あ、りが…とう」



それからみんなで他愛のない話しをして一日を過ごした。
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