夜の海、盲目


―――――

「はぁ、落ち着く。」

「私が居るから?」

「うー、ん。それと後はこの本があるから。」

「本と私どっちが大事?」

「はは、仕事で忙しい夫に呆れた妻が、仕事と私どっちが大事?って聞くみたいだね。」

「だっていつも本読みながら私と話すじゃない。」

「図書室だからさ。魅歩と俺が図書室以外で話したこと、ないよね。」
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