夜の海、盲目

「ふわふわしているね、実に。」

「そんなものですから。」


シン、と静まり返る図書室。

穏やかな時間が流れているように思えるけれど、

私の心は乱れ、まるで荒波。


どうしても貴方の呼吸を確かめたいのに…


聞こえない。




フフ、当たり前なのよ。
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