嵐の如く~俺様ヤクザが愛する女~龍・乱舞編
 「……足りない…」


 譲様は低い声で呟く。


 「申し訳ございません…」


 「…光…この落とし前はつけてもらう…」


 「はい…」

 
 譲様は立ち上がって…俺の前に立つ。


 床の間の掛け軸には紅の昇り龍。


 「俺も…お前を痛めつけたくない…彰みたいにちゃんと…金を持って来い!!光!!」


 譲様が俺にドスのきいた声で吐き捨てる。


 「俺にとってお前は大切な…仲間だ…」


 譲様は俺の胸座を掴んで、さっきとは逆に優しい声で呟く。


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