【企画】冬のある日の物語
バタバタバタッ


廊下を走る音が聞こえる


廊下を走ったら、看護師さん達に怒られるよぉ


って、心の中で警告してあげた


…全く意味ないけど


ガラッ


「雪亞ちゃんっ」


そう言って入ってきたのは


息を切らせた、看護師さんだった


看護師さんが走っちゃだめじゃん


「おはようございます。…どうしたんですか?そんなに息を切らせ…」


「悪いけど説明してる時間がないの!ちょっと来て」


「…え?」


嫌な予感が強くなる


胸騒ぎがする


「…は、い」


私はまだ骨折した足が完全に治ったわけではないから


早くは走れない


それを分かっている看護師さんは、車椅子に私を乗せ、また走ってどこかに向かった


見覚えがある、この道


…たしか





























唯斗の部屋に行ったときに通った道、だ































ガラッ


「…雪亞ちゃ…うっ」


病室に入ると、唯斗のお姉さんの唯華さんが泣き崩れていた


「…唯華…さん?」


唯華さんとは、面識があった


よく、私の病室に唯斗を探しに来ていたから










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