【企画】冬のある日の物語
「…ゆ、とが…」


唯斗がどうしたの?


何?みんな涙なんか流して


あぁ、そっか


唯斗の誕生日、涙がでるくらい嬉しいのね?


「…唯斗。なんで…寝てるの…?」


みんな来てくれたのに


みんな喜んでくれてるのに


「きょ、は…唯斗の…誕生日、でしょう?」


今日はクリスマスイブだもの


「ほら、早く…起きて…?」


「雪亞ちゃ…っ!唯斗は、唯斗は…」






























「…死んだ、のよ…」







































嘘、だ


「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁっ」


これは夢


質の悪い夢


そう、悪夢よ


だって、だって…


昨日まであんなに笑顔だったのに


冗談だって言えてたのに







…「愛してる」って言ってくれたの、に







「ゆい…と…?ねぇ、起きてよ。まだ、寝てるんでしょう?ね?唯斗」


─────起きて


私の言葉なんて届くはずもなく


唯斗は、二度と目を開かなかった










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