【企画】冬のある日の物語
「ほら、雪亞ちゃんがいるだけでまわりには笑顔がでるの。本当のこと言うとね、あの子…唯斗は、女嫌いなのよ」


「…え?全然そんなふうには…あ」


そう言えば初めて会ったとき、すぐこの病室から出ていったかも


…でも、次の日からはちゃんと来てたよね?


…そんなに好きだったんだ、ここ


「ふふっ何か思い当たることでもあった?唯斗はね…どんなに可愛い子でも、どんなにいい子でもだめだった。…けど」


「…けど?」


私が聞き返すと、唯華さんは綺麗な顔に笑顔を浮かべて


「…雪亞ちゃんだけは違った。本当に雪みたいだわ、雪亞ちゃんって。白いし、何故か居てくれるだけで嬉しくなる。ね?雪みたいでしょ?」


…よく、わからないけど


唯華さんが誉めてくれてるのは、分かる


「ありがとう…ございます」


「いいえ。雪亞ちゃん、悪いんだけど…足が完治したらお線香…あげに来てくれない?」


「…え?いいんですか?」


「…ええ」


…本当…に…?











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