君と僕の放課後
「咲良、家まで送る」
「ありがと」
僕も店を出た。
会話なんかない。
ただ静かに歩く。
いつもとなにも変わらない光景だ。
静かな沈黙。
だけど今日は違った。
いつもと変わらない光景を破ったのは咲良だった。
「ねぇ徠。明日ひま?」
「え…明日?」
いきなりの問いに間抜けな声が出た。
「うん」
「んー…うん、ひま」
「じゃあさ、明日出かけようよ」
「いいよ」
僕が答えると「決まりね」咲良はニコッと笑った。
「じゃあ、送ってくれてありがとう。詳しいことはメールする。また明日ね」
「ん、また」
僕は自分の家に帰った。