君と僕の放課後


「あぶねー!忘れ物取りに来たこと事態を忘れるとこだった!!」

僕がノートを持って笑うと咲良が、

「忘れてたじゃん」

と、クスクス笑いながら言った。


「‥錐埜さんって笑うんだね」


僕が言うと咲良は、きょとんとして、またクスクス笑い始めた。


「私だって笑うよ。大里くんって意外に不良なんだね。いつもは真面目くんなのに」

「不良?」

「うん。今の格好みたら不良」


僕は咲良の言葉で自分の制服をみた。

…うん、不良だな。
納得出来るくらいの制服の乱れ。
帰宅途中に慌ててノート取りに来た為、髪はクシャクシャで、いつもは外しているピアスもつけたまま。


「えーっと‥これには事情がー…」


僕が苦笑いしながら言うと咲良は笑いながら言った。


「似合ってるよ、大里くん」


咲良の笑顔はオレンジ色の光で見えない、だけど、綺麗な笑顔だったと思う。


「ありがとな」


僕はまた苦笑いをした。
< 6 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop