『いつか。愛。』
さとみが見つけたのは、
香水。

僕は昔から香水が好きで、好きな匂いならレディースでも買ってつけてしまう時がある。
さとみが見つけたのは20本位まとめてある場所。

「なんで女ものいっぱいあんの?元カノの??」

「ちげー。俺が買って使ってんの。」

「嘘だね。」

目を細めてこっちを見るさとみ。

「本当だし。」

「上ちゃん使ってるのどれ?」

匂いを嗅いで首をかしげながら探してる。

僕は立ち上がさとみの後ろから手を回し、
いつも使ってる香水を手にとる。


「これ。」

僕から香水を取りさっそく手首につける彼女。

「うえちゃんの匂いだぁ〜!これちょうだい?」

「いいけど使いかけで半分位しか入ってないし、新しいの買ってあげるよ。」


「いいの!」

彼女はそう言うとすぐにバックにしまう。


「そろそろ駅に戻らなきゃ行けないから行くよ?」

肩をたたきさとみに言う。


「私も行かなきゃ。やば〜い遅刻だぁ〜。」


それから途中まで一緒に歩き別れた。


僕は駅に戻る。


2時間ほどスカウトし、
家に帰る。

風呂に入りいつもの様にテレビを見ながら、髪を乾かす。

『ピッピッピッ』

『今日終わった後会える?少ししかいれないけど。』

さとみからだった。

『会えるなら会う!終わったら電話して!』


『分かった!』


さとみの店が終わるまでまだまだ時間があった。
起きて待っていると、また寝不足になるので、少し眠ることにした。
アラームをセットして。

最近布団に入るとすぐ眠れる。
今日もすぐ眠りに入った。


どれくらい寝たのだろう。

眠ってる意識の中で、なにか焦る感じ。


「やばっ!!!」

時計を見ると営業終了の10分前。

助かった。
まだ携帯もなっていない。

急いで顔を洗う。

営業終了時間。


10分後。


20分後。



30分後。



電話が来ない。

電話をかけてもでない。


何かあったんだろうか。


1時間ほど電話をかけたりしたが
結局この日はさとみと連絡はとれなかった。
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