『いつか。愛。』
不信感がありながらも
仕事も楽しくやり、
平和な毎日が続く。

確かに疑問はいくつもあった。

限定された電話の時間。
たまに連絡が取れなくなること。
日曜日に限っては連絡とれた試しがない。

でも、好きだし信じていたかった。
確かに忙しいのもわかる。
乗り越えなきゃ行けないこともたくさんあるのも知ってて、付き合ったし。

会えないことは我慢する。
ただ会う約束をしてて、
連絡とれないとかも
全てを語らない彼女。


何かを隠していると言うか、何かを言えないのだろう。

聞きたいことはたくさんあるけど
胸に秘めておこう。


こんな事もあった。

基本的に僕はYシャツ、ベスト、ジャケットを着て仕事をしていて、
そのまま、客引きに外に出る。
9月の半ばじゃまだまだ暑くて、ジャケットを脱いで
近くに掛けといた。

そこから2〜3メートル離れたところに立っていたのだが
ふと振り向くとジャケットが無い!!

ジャケットの中には、
キーケースと名刺入れが入っていた。

ピンチ。家帰れないじゃん。
こうなれば仕事になんか集中出来ない。
さとみが合い鍵持ってるけど、今は10時。
ジャケットを探しながらさとみに電話。
もちろんでない。

メールを入れて置く。

2時間ほど捜すと、裏の駐車場の奥に怪しげな物体。

近づくとそこには
砂まみれのジャケット。
すぐに手にとり、砂を払い落とす。

もちろん名刺入れもキーケースも無くなっていた。


ホント最悪。


夜中2時位になり、さとみからメールが来た。

『鍵無いの?大丈夫?』

大丈夫じゃないよ。
帰れないよ。
店の人に聞けば業者を呼べば、2〜3万取られる。

いたいねぇ。

一つだけなんとかなる方法があった。
以前に1度だけさとみを家の近くまで車で送ってあげたことがあったので

『仕事終わったらタクシーでさとみの家の方まで行くから、鍵ちょうだい!』

返信を待つ。


『それは無理だよ!タクシーで往復したら1万以上かかるし、無理。』


『その方が業者頼むより安いんだよ!会わなくていいよ!場所を指定してくれたらそこに置いといていいから!』
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