『いつか。愛。』
目が覚めると二日酔いと言うよりも酔っ払い。

顔赤いし、気持ち悪いし、寝不足だし、
完全にアルコール抜けてないし。

とりあえず準備して、
仕事に行く。
もちろん、さとみに電話しながら。

気持ち悪すぎてなんもできない。
スカウトにも出ないで、
店の中をうろちょろ。

アルコールを飛ばそうと、
掃除して汗をかこうとするが力入らず。

ダメ人間だな。

何とか営業までには通常モードに治って、
仕事に入る。

10時頃、店の下にいると、村さんとマサキさんが通った。

「お前ら酒癖悪いなぁ、掃除大変だったんだよ!」
村さんが笑いながら言ってきた。

「何となくしか覚えてないんですけど...」

「覚えてないの!?ウイスキーで顔洗ったり、トイレからでてきたらお前泣いてたり大変だったんだよ!」


まじかよ。
ほとんど覚えてねーや。

「なんかすいませんでした。」

苦笑いしながら僕は言った。


「まぁ楽しかったら、気にすんなよ!」

またでかい声で笑いながら村さんが言う。

そしてマサキさんの一言。
「今日も待ってるから来いよ!じゃ頑張れよ!」

「行けたら行きます。」



行きません。


営業も終盤に入る。
今日はずっと外にいたが、
インカムで店内に呼ばれた。
どうやら、常連のお客さんが僕を呼んでるらしい。

ちょうど延長確認の時間らしくて、
そのまま確認してくるよう、指示された。

席に行き、
酒を進められる。
もちろん断る。
この後も仕事あるし。

5分程話し、タイミングをみながら延長確認をする。

「間もなくお時間なんですが〜...」

グラスに並々焼酎を注がれる。

悪い予感。

「上原これ飲める?」

もはや脅迫。
飲まないと帰るって言ってくるんでしょ。

「もちろん飲めますよ!いただきま〜す!」

こうするしかない。
一気に飲み干す。
かわいた体に温い焼酎。

ホント効くよ。


「頑張るねぇ!延長で言いよ!」

「ありがとうございます。ご馳走様でした!」


延長はとれたけど
僕はホストか。

ラストが近づくにつれ酔いがまわる。

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