『いつか。愛。』
昨日に引き続きかなり酔った。
僕は一定のアルコール度数を越えると、
家に帰りたくなる。
なんでだろ。
本能的なものかな。
おかげで自己中呼ばわり。

その本能で今日も帰る。
電話してくると外に出たまんま何も言わずに帰った。

帰ると即寝。
なにがあっても起きない。
いわば仮死状態。

だけど起きる時間にはちゃんと起きる。

はい今日も酒抜けてない。
そんな状態で準備をして
さとみに電話する。
多少怒られ、ついでにその場に女の子がいたんじゃないかなんて疑いもかけられる。

店に行くと、酒臭いと言われ、
今日も昨日と同じ運命。
掃除しても力入らず。
今日こそまっすぐ帰らなきゃ。

その日の営業終了間際、電話が鳴る。

マサキさんからだ。
悪魔の電話だ。

「もしもし。」

「昨日帰っただろ。今日も待ってるから。」

「今日は本当に行きません!」

電話の向こうでマサキさんは笑ってる。

「そういえばさ昨日の居酒屋のおばちゃんがさ、モツ煮の器返せって言ってたよ?」

「なんの話しですか?」

「モツ煮の器持って帰ってない?」

持って帰る訳ないじゃん。
いくら酔っててもさすがにそんなことはしません。

「うちらじゃないです!」

「そっか。じゃまた後で!」

行かないってば。

営業終了後、久保田と話しててさっきのことを聞いてみた。

「久保田モツ煮の器が無くなったらしいんだけど知らないよな?」

「知る訳ないじゃないっすか!そんなことより昨日帰った後、バックの中からツブ貝でてきたんですけど。」

2人で大笑い。
その後久保田が今日も行くかと誘ってきた。

勝手に行ってくれ。

断ってこの日は帰った。
今日は洗濯するって決めてたし、
酔って帰ると、
洗濯機まわしてる最中に寝てしまうから。

予定通り、洗濯をして
この日は寝た。
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