『いつか。愛。』
スリルを楽しんでいるんじゃない。

ただ2人で一緒にいる時間は1秒も無駄にしたくない。

しばらくすると、さとみは門限のため帰宅。
村さんがタクシーまで送っていく。

若干ジェラシーだが我慢。
誰に何を言っても誰も何も悪くないのだから。

それからしばらく、週に2回会える時間のうちの 1回はマサキさんの店で村さんもいる状態が続いた。

何回目かのマサキさんの店でいつものように、
さとみに呼ばれて行き、
少しの間いて、さとみは先に帰る。

さとみが帰ってからしばらくのんでいるとメールがきた。

『村さんにも、マサキにも付き合ってるの言おうかと思ってるの。一緒にいられるのに隣にいるのでさえ難しいじゃん。限界だよ。今日も何度言おうと思ったことか。



さとみのその気持ちだけで十分幸せだった。

確かにそれで楽にはなるかも知れないけど、
村さんと僕の関係は確実に崩れてしまう。
それどころか、マサキさんとの関係も崩れる気がした。

それは避けたかった。


さとみをなだめる。
またメールがくる。

『でも、マサキはたぶん気付いてるよ。さとみちゃんの香水なに?って聞かれたし。ハルと同じの使ってるからわかったんじゃないかな。』


なんとなく気付いてた。
マサキさんは夜の世界長いし、
きっと敏感な気がした。


『マサキさんには俺から話してみるよ。』


変に隠して、村さんに報告されるのも嫌だし、
そもそも隠すようなことじゃないし。

さとみとメールをしていると、村さんは帰った。

マサキさんと2人になる。

なぜかぎこちなくなってしまう。
突然マサキさんが話しはじめた。


「いつまで村さんに隠すんだ?バラすなら早めの方がいいぞ。」

戸惑った。
さとみとのことかな。
それしかないか。
でも、違うかもしれない。

「なんの話しですか?」


誰にでもわかるくらい動揺してしまう。
笑いながら軽く頭をたたかれた。


「さとみちゃんのことに決まってんだろ?さとみちゃんが来ると毎回お前来るし、気付かない方がおかしいだろ。村さんもわかってるんじゃないかな。」


ですよね。
気付かない方が変か。
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