DKのどーしようもない日常





俺が手を振って階段を降りようとしたら、俺を呼び止めた。その樹の顔は、ちょっと真剣だった。



「今日、お前の『生徒のみなさーんっ!開会式を始めるので今すぐに席に着いて下さーい!』…ぞ!」

「……。

…ごめん、なんて言った?」



樹の声が放送委員の声と被って最後の方が全く聞こえなかった。

俺の…なに?



「…んー、やっぱいいや!ほんじゃ、頑張れよーっ!」



樹は笑いながら手を振り、ケガの手当てをするために保健室へ向かって行った。

――その後、俺は隼人達に呼ばれすっかりそのことは頭から消えていった。





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