狼くんと子猫ちゃん
姫抱っこをしてやると、首に回してくる猫の腕。
(やべー…)
襲われてーのか、こいつ…「痛え!」
突然頭に感じた痛み。
「南条くん…小春になんかしたらどうなるか分かってるよね?」
…拳片手にニッコリと微笑む女が怖いんだが。
「んー、南条くん…?」
早く行きたいらしい猫を見て、はいはいと軽くあしらいテントに向かった。
「陣内くん、いいの?行っちゃったけど。」
「……」
「もー…困った飼い主だなー」
それでも尚、食べ続ける彼に、彼女は溜め息を吐いた。