狼くんと子猫ちゃん
あの日以来のちゅー。
健吾がしてくれなかった甘いのは…
「も、っと…」
…頭の中をすぐとろとろに溶かしてくれた。
頭の後ろにある手が支えてくれる。
健吾はそんなことしてくれないから、…比べる。
私を溶かすだけ溶かして。
優しい言葉しかかけてくれない健吾。
考えることは苦手だけど、分かるもん。
「はっ…そんなにキスが好きか。そりゃ困るわけだ。」
…誰が?
その言葉は出ずにまた塞がられる。
――健吾は私を満足させることしか考えてない。