狼くんと子猫ちゃん




「どしたの、おばけ…苦手?」



「暗いの、おばけもいや…」



「もう少しで折り返しだから頑張ろ。」




出てきた涙を拭かれる。




「美加ちゃん、健吾みたい…」



「え?」




え?


そう固まっちゃった美加ちゃんの声は低かった。




…怖かった。





「み、か…ちゃん。」



「あーあ、ほんっと小春ちゃんは鈍感だなぁ。」




ほっぺに触れてた手が静かに離れるのを見続ける。




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